遊園地に行った

「俺は無重力の感覚というのがからっきしダメだということがわかりました」
 いや、そんなにすんごい恐そうなジェットコースターとかに乗ったわけじゃないんです。なんか乗り物が上下に動きながら回転する、子供が乗るようなやつに乗ったただけなんで。それでこの悟りですよ。
 で、すっかり悟り澄ました俺は絶叫マシーンの数々の前に並ぶ長蛇の列を斜めに見ながら「しょせんこんなのは2、30分もの待ち時間に耐えれるようなヒマ人が乗るものなのさ」などと、ただひたすらにニヒルに構えていましたとさ。
 ──チキンです。ええ。チキンガイですとも。