『EVERYTHING IS MY FAULT』SBK

EVERYTHING IS MY FAULT
 このジャケでタイトルが「全て俺のせい」だったり、ラップしている曲など最早ほぼ皆無だったり、歌詞カードが何故か洋楽の国内盤っぽかったり、そういうことで困難とか捻くれてるとかいう印象をリスナーに与えることさえも全部ひっくるめて、この人たち、というかSHIGEOという人物の感性というのはいたって普通なんじゃないかと思った。そこに非凡な詞の才能とそれなりの押韻の才能があるから、日本人が書いた英語の詞の翻訳という奇妙な手続きを踏んでいながらも(そしてこの屈折具合もまた、どうしようもなく平凡な感性だと思わされるのだ)そこに見入り、共感してしまう。
「俺のことをイライラさせるなら どっかに行って 消えちまえ!!」「感じる事はできるが 理解することはできない」「頭の中におかくずを詰め込まれたかかしの様な人と 話すのは辛い」。アルバム中ひたすらにこんな歌詞が続き、しかしラストを飾るシングル曲『Why don't you come to my place?』では、躍動するダンスビートと共にこう繰り返される。「こっちにおいでよ ベイビー ねえ ベイビー」。