『半分の月がのぼる空 looking up at the half-moon』橋本紡

 いたって普通な主人公と病弱ヒロインのボーイミーツガールなお話。波乱の展開なんてものはなくて、割と淡々と少年と少女の触れ合いを描いています。ありふれた話なのですが、文章が読みやすくて所々にうまい表現があるのでかなり引き込まれました。キャラも良い。どいつもこいつもものの見事にありふれた設定なのですが、それでも魅力的に感じるのは描写が上手いからなんだろうなと思います。
 あと、個人的には主人公裕一がエロジジイ多田さんの底抜けのバカっぷりに突き動かされてみたりする展開が好きです。全体的に淡く掴み所のない雰囲気の作品なのですが、この部分からはすごく力強さを感じた。あと、男の友情を感じた。エロジジイ、良いキャラだー。
 続き物らしいのですが、多分買うかな。