『ロッキン・ホース・バレリーナ』大槻ケンヂ

ロッキン・ホース・バレリーナ (ダ・ヴィンチブックス)
「十八歳で夏でバカだった。」
 表紙のイラストと一行目のこの文章に引き込まれて気になったけど、買うには高いからと立ち読み読破。2,3時間も突っ立ってたせいで足つりかけました。
 作者が作者だけにライブや楽屋の描写が濃くてバンド好きな人とかは楽しめそうだけど、基本はいたって普通の青春小説でした。ボーイミーツガールだとか、夢を追う少年とかつて夢を追いかけていた大人の対比だとか。いかれたゴスロリ娘のキャラ造詣もありがちといえばありがち。だけど、軽快な文章やユーモアの雰囲気が好みだったので楽しく読めました。まあ、キャラの演じるドタバタの描写の仕方ががたまに鬱陶しく感じることもありましたが、多少ご都合主義な展開も問題なしと思える勢いもあって、後味はすごく爽快です。
 ところで。冒頭の文章ですが、これどこかで見たことある文章だなーとちょっとした既視感を抱いたのですが、誰の文章だろうと思ったら他の誰でもない僕のでした。……と冗談はさておき、というかこれにしても誰かのパクり影響を受けてるわけで。誰の文章だろう。秋山瑞人? 金城一紀? それとも他の誰かか、果たして……?