『もののけもの』ゴツボ×リュウジ

ついにゴツボ×リュウジが面白い漫画を描いた、という事実に驚愕した。絵は良いんだからもう何か適当にコミカライズしてればいいよ、とか思ってごめんなさい。
今までは、最初の数話で止まってる長編SSみたいな、ノリだけで書き始めて細かいところは何も決めてなかっただろという作品ばかりだった訳ですが。かつての文字通りグダグダな展開はなりを潜め、締めるところはしっかり締められた展開で、その土台の上では『脱力系』と称されるゆるゆる感もしっかり個性として機能して、なんだろう、これは主人公のキャラを今までのボンクラ系じゃなくて、何でもできるスーパーマンにしたのが良い方向に作用したのではという気がする。ササメケで言えば長浜楽市ではなくて安土桃山を主人公にしたという感じ。これを今まで作品における反省点等を踏まえて意図的にやったのか、はたまた偶然のもとにそうなったのかは定かではないですが、とにもかくにも、主人公がちゃんと主人公らしく活躍している&主人公を中心に話が展開していくので、全体の印象が締まる締まる(笑)。
以前からよく濃いといわれながら個人的にはただ適当に奇を衒ってるだけだと感じていた登場人物も、話がしっかりしていることもあり、本当の意味でキャラ立ちしていると思う。話とキャラは切っても切り離せないものですし。いや、よく判らないで言ってますけど。
主人公の性格もいい味出してるけど、脇役も魅力的。黒野黒絵は萌えキャラ。「萌えキャラ」とか飾り気なしに言っちゃうくらい萌えキャラ。天才だけど本番に弱いドジっ子だったり、友達いなかったり、窓際に立ったらカーテンにくるまらずにはいられない萌えキャラ。でも、自分はニコのほうが好きだ。だって幼馴染みキャラだもの。
もともと、個性だけはあるんだけど……という作家でしたが、これはちょっと化けたかも。